こんにちは。Mr.Fragrance(@MrFragrance_jp)です。
今回は、こだわりのムスク系香水5選ということで、5つの香りを紹介できればと思います。
まずムスクの香りがどんな香りかというと、一般的に色気のある甘くてパウダリーな香調を指します。
そもそもムスクの香りって何?
元々ムスクの原料というのは、ジャコウジカという小柄な鹿の分泌物から取れるもので、メスを惹きつけるフェロモンのような役割や、なわばりを示すためのものです。
ですが今そのジャコウジカは絶滅危惧種に指定されているので、天然のムスクは実質使用できなくなっています。
なので、どのブランドも合成の香料を使っているのですが、ムスクは化学的な解明が進んでいるので、本物に近い素晴らしいクオリティの合成香料もたくさん出てきています。
ニトロムスク、大環状ムスク、多環状ムスク、脂環式ムスク
現在大きく分けて4種類の合成のムスクが生産されていて、ホワイトムスクなどの通称で呼ばれているのが現状です。
※合成香料=悪いと思われている方もいると思いますが、そんなことはないので、これについてはまた別で紹介しようと思います。
前置きが長くなりましたが、こだわりのムスク系の香水を紹介していきます。
ムスク系香水ベスト5|男女ともに使えるおすすめの香りを厳選紹介
No.5 ゲラン オーデカシミア オーデトワレ|Guerlain Eau de Cashmere Eau de Toilette
トップ:ベルガモット / マンダリンオレンジ / ピンクペッパー
ミドル:アイリス / ラベンダー /シダー
ラスト:ヘリオトロープ / ホワイトムスク / ベチバー
調香師|ティエリー・ワッサー 他作品|モンゲランなど
まず一つ目に紹介するのは、ゲランのオーデカシミアという作品です。
今でこそ誰もが知るデパコスブランドのゲランですが、元々は香水を専門に販売していた老舗のフレグランスメゾンです。
その流れはもちろん今も受け継がれていて、継続的に希少な香料を調達できるので、100年以上の歴史を持つジッキーやシャリマーなど、多くの名香を今なお販売することができています。
そのため、特に業界内からの信頼の厚いブランドでもあります。
今回紹介するオーデカシミアは、そんなゲランの高級ライン「ラール エ ラ マティエール」から2014年に発売された比較的新しい時期の作品です。
オーデカシミアのコンセプトは、「カシミアの柔らかさに包まれる香り」
名前の通り、柔らかくふわふわとした印象の、モダンな香りが特徴です。
香りの展開 香りの始まりは、フレッシュなシトラスと清涼感のあるピンクペッパーの香りからスタートします。ほんのりウッディな香りや、ラベンダーのリラックス感も感じられます。
そこから徐々にムスクやアイリスの香りが顔を出してきて、ふわふわとしたパウダリーな香りが続きます。
このオーデカシミアのパウダリーな甘さには何度も深呼吸したくなるような心地よさがあって、上品かつ軽快で、本当に包み込まれるような優しさを感じます。
また、テーマがカシミアというだけあって、珍しく衣服に付けることも推奨されているので、肌がアルコールに負けて赤くなってしまう方など、肌が弱い方にもおすすめです。
比較的さっぱりとした印象ではありますが、ムスクの甘さの印象も強いので、個人的には秋冬のリラックスしたい時に使っていただきたい作品です。
No.4 ルラボ アンブレット9 オードパルファム|LE LABO AMBRETTE 9 Eau de Parfum
NOTE|アンブレットシード/アルデヒド/ムスク/アンバー/レモン/フルーティーノート
調香師|ミシェル・アルメラック 他作品|ボンドナンバーナイン セントオブピースなど
2つ目に紹介するのは、ルラボのアンブレット9という作品です。
ルラボはブランド自体は結構メジャーになってきてるので知ってる方も多いと思いますが、アンブレット9はブランドの中ではそこまでメジャーな香りではないので、今一度その魅力をお伝えできればと思います。
個人的に、この香りの魅力はラストノートから残り香にかけて感じられると思っています。
香水の名前にあるアンブレットは、アンブレットシードのことで、ハイビスカスの仲間ニオイトロロアオイの種子からとれる香料です。
この香料は植物性ですが、動物性の天然ムスクによく似た香りを持つという、とても珍しい特性を持っています。
実際ムエットにつけて1日程度放置すると不思議なほど色気のある香りが出てきます。
このアンブレットシードのオイルを嗅ぐと、女性ホルモンの一種エストロゲンの分泌を促進するという面白い研究結果も出ているので興味のある方はぜひ調べてみてください。
香りの展開 アンブレット9香りのつけたては、りんごや洋梨のようなフレッシュでフルーティな香りがメインに香ります。
全体的に香りは控えめで、香料の種類も9種類とルラボの中でも特に少なめでシンプルです。
最初に店舗で嗅いだ時はそれほど印象に残りませんでしたが、ムエットに残った残り香を嗅いでからは、この香りのためだけに手に入れたいと思うほどハマりまして、結局50mlを購入してきました。
もちろん香りの複雑さを楽しむタイプの香水ではないんですけど、アンブレット9から放たれる独特のムスクの香りは本当にクセになります。
枕元に結構しっかり目につけて、次の日くらいに嗅ぐとこの良さをわかっていただけると思います。
ぜひこの残り香を意識して試して頂けると嬉しいです。
No.3 ティプティック フルールドゥポー オードパルファム|DIPTYQUE FLEUR DE PEAU Eau de Parfum
3つ目に紹介するのは、こちらのディプティックの「フルールドゥポー」という作品です。
こちらはかなり有名な作品ではあるので、紹介するか迷ったんですけど、個人的に特に好きな香りなので、こちらも今一度魅力を紹介できればと思います。
フルールドゥポーは、ディプティックの香水発売50周年を記念して作られた作品で、コットンのように柔らかいムスクと、こちらも植物性ムスクと呼ばれるアンブレットシードなどが香るムスク系の香水です。
香りの展開 香りの始まりは、ピンクペッパーのキレのあるスパイシーさと石鹸のようなアルデヒドノートが特徴的に香ります。
肌につけてしばらくすると、柔らかくパウダリーなイリスやアンブレットシードの香りが、スパイシーさを肌で優しく溶かすように包み込んでいきます。
この香りは特に肌にのせることで、その良さが引き立つ作品だと思っていて、本当に香水の名前の「肌の花」という名前がぴったりの香りです。
最初のキリッとしたスパイシーな香りたちから、一転して優しい石鹸のような香りへとどんどん変化していくので、2面性を感じられるという面白さがあります。
また、ディプティックは創業者3人が芸術家だったこともありパッケージがお洒落なのも魅力です。ラベル裏のデザインは、それぞれの香りのテーマに沿ってデザインが設定されていて、香り毎に違う絵のデザインを楽しめます。
ディプティックはぜひパケにも注目して頂ければ楽しいと思います。
シックで清潔感のある香りを探している方に、おすすめしたい作品です。
No.2 クリード シルバーマウンテンウォーター オードパルファム|Creed Silver Mountain Water Eau de Parfum
トップ:ベルガモット / マンダリンオレンジ
ミドル:グリーンティー / ブラックカラント
ラスト:ガルバナム / ムスク / サンダルウッド / プチグレン
調香師:オリヴィエ・クリード(Olivier Creed)、ピエール・ブルドン(Pierre Bourdon)
他作品|オリヴィエ・クリード(Olivier Creed) クリード アバントゥスなど
他作品|ピエール・ブルドン(Pierre Bourdon) ダビドフ クールウォーターなど
第2位は、僕が大好きなブランドの一つ、クリードからシルバーマウンテンウォーターという香りを紹介します。
この香りは、さっぱりとした万人受けする香りながらも、ムスクの深みによって、他ブランドと一線を画す高級感を感じられます。
クリードは、先ほど紹介したゲランと同様に、老舗の香水ブランドで、英国発で約260年の歴史があります。
また、王室関係者に長く愛用されてきたこともあってか、香りやボトルのデザインに気品を感じられるのも魅力の一つです。
剣のようなシルバーのキャップデザインが個人的にすごくお洒落でカッコ良いなと思っています。
今回紹介する「シルバーマウンテンウォーター」は、一応ブランドのベストセラーで、一番人気の「アバントゥス」に次ぐ人気を誇る香りです。
シルバーマウンテンウォーターの香りのコンセプトは「スイスアルプスの雪解け」。
香りの展開 コンセプト通り、ひんやりとしたフレッシュでフルーティーな香りから始まります。
5分も経つと、ひんやりとした香りが和らいできて、グリーンティーやハーバルな香りに移っていきます。そこから次第に高級感のあるムスクの甘みが顔を出します。
このムスクの甘さが絶妙で、バニラのようにこってりとしたものではなくて、人肌から香り立つような温かみや色気を感じさせるさっぱりとした深みのある香りで、この使い方がとても上手いなと感じさせてくれます。
「アバントゥス」がメンズライクな香りであるのに対して、こちらはユニセックスで使える汎用性の高さが魅力です。一本持っていれば、どんなシーンでもつけていくことができます。
さっぱりとした香りかつ、高級感のある香りを探してる方におすすめの作品です。
No.1 エラケイ ムスクK オードパルファム|Ella K Parfums Musc K Eau de Parfum
トップ:ピンクペッパー / サンドリリー
ミドル:オリバスター / マングローブ
ラスト:ベチバー / アンブロフィックス / ホワイトムスク
調香師:ソニア・コンスタン(Sonia Constant) 他作品|リキッドイマジネール ドンローザなど
今回1位に選んだ香りがこちらのエラケイというブランドのムスクKという作品です。
この香りは、ブラジルにあるレンソイスという、絶景スポットから着想した香りで、白い砂丘と青いラグーンが広がる光景を香りで表現しています。
好みは人それぞれだとは思うんですけど、これぞ日本人が好きな香りと言った清潔感のある香りです。
ムスクを中心としながらも、さっぱりとしたソルティさがあるのが特徴で、嗅いだ瞬間から思わず引き込まれる魅力を感じました。
ソルティーといっても、潮風みたいな磯っぽさはなくて、白砂のテクスチャーを香りで表現したような、サラサラ感を感じます。
香りの展開 香りを断片的にお伝えすると、サンドリリーというソルティなユリのフローラル感や、マングローブやベチバーのウッディノート、ソルティなイリス、アンバーやムスクの深みのある香り、といった感じです。
この作品は、全体の香りの調和を楽しんでいただきたいので、あまり事細かに香料を説明したくないんですけど、全体的に白砂のさらさら感を感じられるようなソルティな香料が多用されていることがわかります。
全体を通してさっぱりとしていますが、深みも感じることができて、持続時間も8時間以上あります。
昨年の香水イベントで発表された時に、香水好きの中で瞬く間に広まって、3万円代後半という高価格帯ながらすぐに完売して話題になりました。
何か一本だけ良い香水が欲しいなという方にもおすすめできますし、香水好きにも刺さる人が多い作品だと思うので、高めの価格帯ではあるんですけど、ぜひ手に入れて欲しいなと思います。
まとめ
ムスクは天然で使用できないということもあって、香りの解釈の幅もどんどん広がってきていて、こってり甘い香りで表現されたり、さらっとした清潔感のある香りで表現されたりと、とても自由で可能性のある面白いカテゴリーだなと思っています。
みなさんもぜひムスクの香りにこだわって香水を選んでみてください!
香水の魅力を深く分かりやすく紹介していきます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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