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こんにちは。Mr.Fragrance(@MrFragrance_jp)です。
香水には、コンセプトやディスクリプションといった香りの背景にある、背景や物語を想像させる要約文のようなものがあります。
それらのほとんどは、旅の情景や懐かしい記憶など、美しいものを描写することが多いですが、時には一風変わった設定で世に出されることもあります。
今回紹介する香りのテーマは、「ゴミ」。ゴミ山の頂上に咲く一輪の花イメージしていて、作られた香りです。
一見、良い香りになるとは想像しにくいテーマですが、ブランドの50種類以上ある香りの中で一番人気となっており、香水専門店でも売上上位を占めるほど市場に受け入れられている作品です。
この背景には、単に注意を引くために「ゴミ」をテーマにしたのではなく、ブランドが伝えたい思いや香りのクオリティがしっかりと担保されていることがあります。
今回は、この香りの紹介とともに、そのブランドの思いについてもお伝えできればと思います。
まず、エタリーブルドオランジェというブランドについて紹介します。
エタリーブルドオランジェ(Etat Libre d’Orange)とは?
出典:https://www.etatlibredorange.com/
まずエタリーブルドオランジェは、2006年に創業したフランスのブランドです。
香水ブランドとしては、まだまだ新しいブランドですが、ニッチフレグランスブームの先駆けを作ったブランドです。
現代に溢れかえる大量生産された、ありきたりな香水文化からの脱却や、固定概念を覆したいという創業者、兼調香師のエチェンヌ・ドゥ・スワールによって立ち上げられました。
そのため、他ブランドにはない斬新なテーマ設定やワクワクするような個性のある香りに溢れています。
エタ リーブル ド オランジェ レ フルール デュ デシェ アイ アム トラッシュ オードパルファム|Etat Libre d’Orange Les Fleurs du Déchet I Am Trash Eau de Parfum
アイアムトラッシュ(I am trash)とは?
トップ:アップルエッセンス、ビターオレンジ、グリーンタンジェリン
ミドル:ローズ、イソ イー スーパー、ガリゲットストロベリー
ラスト:アトラスシダーウッド、サンダロール、アキガラウッド
調香師:ダニエラ・アンドリエ(Daniela (Roche) Andrier)
アイアムトラッシュはそんな斬新なアイデアから生まれた、エタリーブルドオランジェならではの香りです。
ゴミというテーマはただイメージとしてというだけでなく、香料も実際にゴミとして捨てられる原料からできています。
本来捨てられてしまうはずだった、原料をアップサイクルして香料を抽出、製造しています。
※アップサイクル-廃棄されるはずのモノに、デザインや新しい機能などに新たな付加価値を持たせて再利用すること。
僕が衝撃を受けたアイアムトラッシュの公式PVがあるのでぜひご覧ください。
https://youtu.be/KLUqFR0-4×4
アイアムトラッシュの香りをレビュー|Review of the I Am Trash fragrance.
テーマは、汚いイメージを持つゴミというテーマ性を覆す、フルーティー&フレッシュで清潔感に溢れた香りです。
りんごを思わせる、甘くてジューシーなフルーティさが印象的。
ただフレッシュなだけではなく、背後に少しウッディ調のスパイスの香りが入ることで、香りに深みが出ていてフルーティーですがフェミニンなイメージに寄りすぎることなくユニセックスな雰囲気に仕上がっています。
見かけ倒しではない、素晴らしい作品だと思います。
まとめ
アイアムトラッシュは、大量の資源を無駄に消費してきた現代人への社会風刺のような、ユーモアに溢れる作品です。
発売は2008年で、今年16年目になる作品ですが、近年注目されているSDGs的な観点で作られています。
本来捨てられてしまうはずだったものが、付加価値を与えられ、美しいものに生まれ変わる。
香水ではあまり想像の付かなかった、新しいアイデアに脱帽しました。
業界の規範を無視して業界に挑戦するという創業者らしい、とても自由で斬新なコンセプトの香水だなと感動しました。
価格は、30mlで11,000円
50mlが16,500円
ぜひ興味のある方は試してみてください。
記事について分からないことや香水について知りたいことなどありましたら是非 X(@MrFragrance_jp)または、コメント欄にリプライを送って下さい。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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