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今回は、香水アトマイザーを選ぶ際のコツや拘りを徹底解説します。
Twitterでも好評頂きました。ちょっと長いですが、ぜひ最後まで読んで頂けると嬉しいです。
リライトしました。
香水の持ち運びに便利なアトマイザーのおすすめを5つ選んでみました。
表示されているものとタイトルも少し変わっています。すみません。
興味がある方はチェックしてみて下さい。#香水https://t.co/VZiftFIpxd
— MR.FRAGRANCE (@MrFragrance_jp) September 15, 2018
まず僕自身、満足するアトマイザーに中々出会えず苦労した時期がありました。
実際香水のアトマイザーは品質差が激しく、バッグの中で漏れたりして生活に支障が出たりもしていました。
また、記事執筆時には調べても中々情報が無く、選ぶ基準が分からなかったのも要因のひとつです。
そこで高くてよく分からないドイツ製のアトマイザーや、日本製のアトマイザーなど沢山買ってみて試してみることにしました。
色々試していく内に必須の条件やおすすめのブランドなど諸々の基準が定まってきたので、今回皆さんに共有出来ればと思っています。
ではまず香水アトマイザーの基礎知識を少し説明してみます。
Contents
香水におけるアトマイザーとは?
※私物のアトマイザーの一部
香水におけるアトマイザーとは、香水を小分けにして持ち運ぶ用途で使われるものです。
大きなボトルを持ち運ぶのは大変なので、小さな詰替え容器に移し替えてコンパクトに持ち運ぶことが目的です。
コロンなど中には3時間程度で香りが消えてしまうものもあるので、1日持続させるにはつけ直しが必要です。アトマイザーを携帯しておくことで外出先でも簡単につけ直すことが出来ます。
今の時期だとウイルス対策にアルコールを詰めて使うのにも便利です。
次にアトマイザーの一般的な詰替え方法を紹介してみます。
アトマイザーの詰替え方の例
参考:じょうごで詰め替える場合
参考:スポイトで移し替える場合
詰め替え方は基本的にはこの2パターンになります。
写真のようにアトマイザーに付属してくるじょうごや、スポイトなどを使って移し替えます。
参考:直接詰め替える場合(リスク高め)
慣れてくると、一応じょうごなどを使わなくても詰め替えれるようになりますが、こぼれるリスクが高いので基本的には避けた方がいいと思います。
アトマイザーの選びの重要ポイント
僕が香水アトマイザー選ぶ際に重視しているポイントは主に4つあります。
- 液漏れがない
- スプレーの品質が高い
- デザイン性が高い
- 遮光が出来る
主に以上の4点です。
次は、なぜ重視するのかについて簡単に説明します。
【条件1】液漏れがないこと
まず液漏れがないのは絶対条件です。カバンに入れていて書類にこぼれたりすると大変です。また、香水をこぼしてしまうと自分だけでなく周りにも香りが拡散してしまうので液漏れだけは避けたいところです。
【条件2】スプレーの質が高いこと
これは安い粗悪な商品を買ってみると分かるのですが、スプレーの霧がまばらで、水滴のように大きな霧が出てきたりします。
そのおかげで、せっかくのお気に入りの香水の香りが綺麗に香らなかったり、量の調節がとても難しくなってしまいます。
日常生活で使っていてストレスを増やしてしまうことにもつながるので、スプレーは質の高いものを選びたいです。
【条件3】デザイン性が高いこと
これは完全に気持ちの問題になりますが、例えば香水のボトルデザインがお洒落だと使うときの気分もより高揚すると思います。
それと同じようにお気に入りの香水を移し替えた容器が気に入ったものであれば、そうでないものを使うときよりも気分の高揚感も違ってくるはずです。
しかし、品質が良くてデザイン性も高いものとなるとそれなりに価格も高くなってくるため、沢山所有するとなると大変です。
ですので本当に気に入ったいくつかの香水を選んで、自分が一番気に入ったアトマイザーに移し替えるようにしています。
【条件4】遮光が出来ること
これは出来ればという希望です。上記の条件に比べるとそこまで重要視している部分ではありませんが、香水の欠点に直射日光に弱いという性質があります。
直射日光を浴びると、液体の変色や香りの劣化が早まるので、出来ればアトマイザーを物理的に覆う紫外線を遮断できるものが付いていると好ましいです。
特にアトマイザーを暗所で保管するのが難しい環境にあったり、そういう場所にわざわざ保管するのが面倒くさいと感じる方は、液体を遮光できる仕組みのアトマイザーを選びましょう。
僕が実際に買って使ってみて、特に満足度が高かったものを5つ選んでみました。
では紹介していきます。
No.5 無印良品 アルミアトマイザー
一つ目に紹介するのは無印良品のアルミアトマイザーです。
まずこのアトマイザーのいい点は遮光が出来るところにあります。
このように液体の入るボトルはガラスで出来ていますが、外側にアルミケースのカバーが付いていてこの辺にもコストがかかっています。
価格は750円と、このクオリティと精度では恐らく一番良いアトマイザーだと思います。
基本的な作りは後述するヤマダアトマイザー18544と同じです。18544に対する利点としては0.8ml容量が多い事と、約半分の価格で買えることですが、18544と比べるとキャップやカバーの接合精度がやや劣ります。
製造国は台湾ですが精度には問題なく、格安のアトマイザーに比べると圧倒的に良いので、使用用途、好みに合わせて選ぶといいと思います。
無印良品の店舗が近くにある方におすすめです。
無印のオンラインショップのリンク→https://www.muji.net/store/cmdty/detail/4547315276752
無印アルミアトマイザーはアスクルでも購入可能で、しかも1000円から送料無料になるので、5000円以上から送料無料の無印オンラインで買うよりおすすめです。
No.4 ヤマダアトマイザー 5202 5204
4位は日本のアトマイザーブランド、ヤマダアトマイザーが作っているアトマイザーです。
見た目は質素ですが、日本製で品質も安定しています。
出典:ヤマダアトマイザー
このようにヤマダアトマイザーにはキャップの色違いのものがいくつかありますが、5201~5210までの仕様は同じです。
今回選んだ5202はドラッグストアでよく見るもの、5204はAmazonのベストセラーになっていて、送料無料で買えるので選びました。
個人的に香水アトマイザーを買うにあたって一番重要視しているのは液漏れしないかどうかです。
この2本は遮光が出来ないのと、見た目の多少のチープ感は否めませんが、スプレーの品質も安定していますし、高い確率で液漏れを防ぐことが出来ます。
液漏れのリスク回避、スプレーの品質を一番安価に確保できるのは僕が知っている限りではこのアトマイザーが一番です。
また、安いとは言っても付属品も充実していて、このように詰替え用ノズル、組み立て式のじょうご、目印シールが付属しています。
詰替え用ノズルはこんな感じで使用します。
組み立て式のじょうごの使用方法です。
スプレーキャップが外れるものは詰替え用のノズルを、外れないものはじょうごを使うと良いと思います。
また、レビューに液漏れするという報告も見かけましたが、恐らく量の入れ過ぎではないかなと思います。
僕はこの5202、5204というアトマイザーを合計10本以上持っていますが、液漏れの経験は一度もありません。
そもそも8割くらいまで充填することを想定して作られているので、それ以上入れてしまうと格段に液漏れのリスクは必然的に高まります。(ヤマダアトマイザーの注意書きの紙にも書いてある)
ドラッグストアなどで手軽に手に入るのも魅力の一つだと思います。香水の数が増えてきた方におすすめします。
No.3 ヤマダアトマイザー 18544
ヤマダアトマイザー18544はスタンダードなデザインで最高の品質を求める方におすすめします。見た感じ何の変哲もありませんが、近くで見ると表面にヘアライン加工のような処理がしてあって高級感が感じられます。
分解するとこんな感じです。仕組みは先程紹介した無印良品のものと同じで、ガラス製の容器部分にアルミ製のカバーがついてきます。
スプレー部分も金属製で安っぽさがなく、こちらも容器自体がむき出しになっていないので直射日光の紫外線による液体の劣化も防げます。
直射日光の紫外線は香水にとっては大敵で一番劣化を早めてしまう原因の一つです。
なので、先程紹介した、5202や5204は直射日光が当たるところは確実に避けて保存する必要がありますが、こちらはそこまで神経質になる必要がありません。
これは実際に手にとってみないと分かりませんが、キャップもケースも硬すぎず緩すぎずに、すーっとスムーズに閉まるので非常に精巧に作られている事が分かると思います。
ここは無印良品のアトマイザーに比べて大きく勝っています。
また、先程紹介した5202、5204に比べてもスプレーの質も高く、よりしっかり押し込めるしっかりした質感で、付属品も同じように付属しています。
少々高くても良いものが欲しい方はこちらを購入した方がより高い満足感を得られると思います。
日本製のもの、見た目も拘りたい方におすすめします。
No.2 トラヴァーロ クラシック
トラヴァーロはイギリスのアトマイザーブランドで、香水アトマイザーの専売ブランドです。アマゾンや楽天でもトラヴァーロタイプとしてよく模倣品が販売されていますが(充填口底の品質が悪く総じて液漏れすることが多い。)、こちらがオリジナル(本物)です。
これはトラヴァーロの中でも一番スタンダードなクラシックというモデルで、充填方法はアトマイザー底からのプッシュ式充填です。
また、他のアトマイザーとの圧倒的な違いはそのスプレーしたときの霧の細かさにあります。
スプレーすると、もはや霧ではなくて煙に近いくらいの霧が噴射されます。
それの何が良いのかというのを写真で説明します。
こちらが香水のボトルから直接プッシュした場合の手の甲の状態。
アトマイザーもほとんどがこのような感じになります。
こちらがトラヴァーロからプッシュした場合の手の甲。
違いが分かりますでしょうか。
トラヴァーロは噴射した場所がびしょびしょになりません。
そのためアルコールで肌が赤くなってしまう方や、液体で肌がびしょびしょになるのが気持ち悪い方にも是非おすすめします。
このメリットはトラヴァーロのスプレーの霧が細かく、広範囲に均一に噴射することが出来る高い精度があるからです。
このように残量が分かる窓もついており、充填時、携帯時の液漏れの心配もありません。価格は少々高いですが、トラヴァーロ製ということで所有欲も満たされますし、香水を使い始めるにあたって一本は持っておいていい商品だと思います。
追記 2019/7/7
ペンハリガンという英国王室御用達ブランドのアトマイザーがなんとトラヴァーロクラシックらしいという噂を聞きつけ、真偽を確かめるべく購入してみました。
届いたのがこちら。ペンハリガンらしい豪華でセンスのあるパッケージ。
開くとこんな感じでした。蓋の裏に香水の充填方法が記載されています。
確かにこの窓付きのアトマイザーは見覚えが。
しかしトラヴァーロの模倣品は沢山流通しているため、まだここでは断定出来ず。。
次にキャップを外してみると...
思わずおっと声が出ました。スプレーの天冠部分にトラヴァーロの新ロゴが。
リフィルを取り出してみるとTRAVALOの文字が。
間違いなくトラヴァーロ製のアトマイザーでした!
また自分の中でトラヴァーロの株が上がりました。嬉しい。
新色のチタン、ホワイトが追加されました。
トラヴァーロ クラシックの単独レビュー記事もアップしました。気になる方は参考にしてください。

No.1 トラヴァーロ ミラノ
1位は先程紹介したトラヴァーロクラシックの上位グレードのモデルであるトラヴァーロミラノです。
トラヴァーロミラノは僕がいままで妥協してきた様々な要素をすべて解決してくれたアトマイザーです。
こちらも単体のレビューを書きましたのでぜひ参考にしてみてください。

次に僕がトラヴァーロミラノをおすすめするポイントを紹介していきます。
デサインが秀逸
個人的にこのトラヴァーロミラノのデザインは僕が今まで見たことのあるアトマイザーの中では圧倒的に良いと思っています。
他のアトマイザーに比べても高級感や存在感が凄いです。
他にデザイン性が高いものを挙げるとエルメスのアトマイザーはとても良いと思っているのですが、価格が10倍弱くらいあるので買うのを躊躇していまいます。
このアトマイザーは普通のアトマイザーに比べると勿論高めですが、見た目の高級感や性能を考えるととてもバランスが取れているのではないかと思っています。
追記
現在トラヴァーロのアトマイザーは大手百貨店で取扱いが始まったり、アーキストという高級メゾンフレグランスのアトマイザーとして採用されているのを最近たまたま見つけて興奮してしまいました。
現在日本にも正規代理店が出来て、高級アトマイザーとして一定の地位を確立しつつあるトラヴァーロ。今後も楽しみです。
移し替えの手軽さ
※トラヴァーロ全シリーズが同じ充填方法
ほとんどのアトマイザーはじょうごなどを使ったりして少し原始的とも言える移し替える方法をとりますが、トラヴァーロはこのようにキャップを外さずにそののまま充填出来ます。
そのため手を汚さずにさっと充填することが出来ます。(トラヴァーロクラシックも同じ充填方法です)
他にもトラヴァーロを真似して作られた安価なトラヴァーロタイプと謳ったアトマイザーがありますが、そのほとんどが液漏れしていまいます。
実はトラヴァーロはこの底からの充填方式の機構(GENIE-S)で特許をとっていて、この機構があるおかげで漏れることがありません。
このように中のリフィルはトラヴァーロクラシックと共用のものが使われていて、このように移し替えることも可能です。
さらにこのリフィルは単体でも販売されているのでこのリフィルを買い足していくことでトラヴァーロミラノ、クラシック(パールは別)はお得に使えます。
12/20 追記:別売りのリフィルが販売廃止されました。その代わりクラシックのセットが格安で買えるようになっています。
デメリット
デザイン上のデメリットを言うと少し重いことです。空の状態で約66gあります。
これは分厚い金属製のカバーに厚みがあるからです。しかしこのズッシリくる重量が高級感も与えているのも事実です。
個人的にこの重さはポケットに入れて持ち運ぶことも十分可能ですが、気になる方はバッグに入れて持ち運ぶと良いと思います。
僕は基本的にはバッグに入れて持ち運んでいて、たまにポケットに入れて出かけることもあります。
押しすぎた気がしますが、これは案件でもなくて本当に良いものだからです。
しかし、あくまで主役は香水だと考えています。
ですが香水アトマイザーで所有していてここまで高揚感が得られたものは初めてで、本当に気に入った香水はトラヴァーロミラノに移して使っています。
気になる方はチェックしてみてください。
リフィルが3本と本体が一つ付いたセットもあります。
実際にこちらも購入しましたが、カバーが一つとリフィルが3つ付いてきます。
なので一つの完成品に、2つ予備のリフィルがついてくると考えてください。※単品で買うより870円安く買える計算になります。
追記:トラヴァーロミラノ好きすぎてDIYでスタンド作りました。
トラヴァーロミラノが好き過ぎて、定位置を決めるべくウォールナット材にぴったり合う溝を作ってます。
このドリルの刃を探すのが意外と大変でした〜 pic.twitter.com/8L4tYI8WBu— MR.FRAGRANCE (@MrFragrance_jp) August 4, 2020
まとめ
今回はアトマイザーを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
個人的には全体のバランスを見ると香水アトマイザーとしての完成度はトラヴァーロが頭ひとつ抜けている感じがします。
しかし日本の会社も頑張っていて、この香水の市場がまだまだ狭い日本でアトマイザーを専売で作っている老舗があることに感謝したいです。
日本にはヤマダアトマイザーの他にヒロセアトマイザー、株式会社ヒロミチという高品質なアトマイザーを製造販売している会社があります。
しかしドラッグストアなどで手に入るヤマダアトマイザーに比べて、現状圧倒的に入手が難しいという難点があります。※最近ヒロセアトマイザーはドラッグストアで見つけました!
また、ネット通販では継続的に手に入れようとなると別途送料がかかるため割高になってしまいます。やはりこれは、日本での香水の市場の狭さが原因だと思っていて、需要が増えると流通量も増えてくれるはずなので改善されてくると思います。
日本の香水市場が拡大して、香水の文化が育っていくことを願います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
普段使っている香水ツール
こんにちは。
めちゃくちゃ参考になりました!!
ここまでアトマイザーを追求されている方に初めて出会いました。しかも、好きで書かれていることが伝わってきて、感動しました。U^ェ^U
トラヴァーロクラシックにしようかなぁ。
大好きな香りディオリッシモはミニサイズが無いので、これでどこでも楽しめます(* ´ ▽ ` *)
トラヴァーロは香港ではなくてイギリスのブランドではないですか?
調べたところ本社と拠点が香港であったため、この記事の作成時に”香港のブランド”と記載させて頂きましたが今は日本の代理店さんも”イギリスのブランド”と言われているのでそちらが正解になりますよね。
ご指摘ありがとうございました。
記事の中身も訂正させて頂きます。